30センチの断髪は愛子さまからのメッセージのように思えた

2019年春、二つの世論調査結果が発表された。一つは朝日新聞が4月19日付の朝刊で発表したもので、「女性も天皇になれるようにした方がよい」が76%、「女系天皇を認めてもよい」が74%。もう一つは共同通信社が5月1日と2日に実施したもので、「女性天皇を認めることに賛成」が79.6%だった。

次代を担う男性皇族が秋篠宮家の長男悠仁さましかいないという現実、病を得た雅子さまが何とか折り合いをつけて皇太子妃から皇后になろうという姿への共感、そのようなものが背景にあっての数字では、と思う。「愛子天皇待望論」が週刊誌で毎週のように取り上げられたのも、その頃だった。

とここまで書いて、何か懐かしいような気持ちになった。2020年から新型コロナウイルスの感染が拡大、天皇ご一家も皇居にこもりきりになった。愛子さまの学習院大学初登校は2020年10月で、陛下と雅子さまはオンラインでの「視察」や「訪問」を試みている。だが国民と直接触れ合えないのはつらいもので、この間に話題を独占したのは秋篠宮家の長女眞子さま。というより、眞子さまとの婚約が内定している小室圭さん。最近の国民の感覚は、「皇室問題=小室さん」だと思う。

そんなところに飛び込んできたのが、愛子さまのボブヘアだった。30センチも切るって、なかなか決断できることではない。それは、愛子さまからのメッセージのように思えた。私はここにいる。そして、雅子さまもそこにいる。ロングヘアからの卒業は、愛子さまの太鼓判。雅子さまと愛子さまの長かった道を思い、しみじみとした気持ちになった。

女性皇族を取り巻く議論の行く末は…

折しも「安定的な皇位継承のあり方を議論する有識者会議」(座長は清家篤前慶応義塾塾長)が3月下旬に始まり、専門家を招いてのヒアリングが回を重ねている。2019年施行の「皇室典範特例法」の附帯決議が「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について」速やかに検討し、結果を国会に報告せよ、と政府に求めた。その宿題を果たすための会議で、議論の中心は女性皇族になる。

本音で書くなら、この議論にも小室さんの問題は影響を与えるに違いない。女性宮家、さらには女性天皇を後押しする意見が出れば、「結婚相手のことをどうするのですか?」と聞き返す「男系男子派」がきっといる。

だけど、当たり前だが問題のありかは小室さんではない。1人の女性が「男子を産む」ことの重圧はどれほどのものか。女性皇族にとっての公務が「結婚して民間人になるまでのつなぎ」で、生きがいを感じられるのか。考えてほしいことは、いくらでもある。

ジェンダーギャップ世界120位の日本だ。もし愛子天皇への道が少しでも見えたら、大変な刺激になると密かに思っている。髪を切った愛子さまは、12月に20歳になる。頼もしい限りだ。

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