大卒は大卒以上と結婚し、高卒は高卒同士で結婚する

この状況は、芸能界やスポーツ界にも当てはまります。ひと昔前は、恵まれない家庭環境の中から、アイドルやスポーツ選手が生まれてくることも多かった。しかし今は、子どもの頃からトレーニングすることが、活躍のためには必須の条件になりつつあります。

日本では特に、女性が結婚相手に対し、自分よりも高い学歴を求める傾向が強くあります。自分が大卒であれば、大卒以上の男性と結婚することが最低限の条件である、という女性は少なくありません。大卒同士の夫婦は、自分たちの子どもに関しても「必ず大学は出てほしい」と願います。

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それに対して高卒同士の夫婦は、大学というものに対して具体的なメリットを実体験で感じていません。大学にかかる4年間の学費を払うよりも、高校を出てすぐに働き始めたほうが親元から早く独立できますから、むしろ大学進学を望まないケースもよくあります。

女子大学生にインタビューすると、ここ数年、彼女たちの多くは結婚相手の年収よりも、「職業安定性」を求めていることに気づかされます。かつては「年収1000万円以上でなければ結婚しない」などと言う女性がいたものですが、それも今は昔です。日本が長期不況に陥りデフレ経済下で20年以上が経過し、結婚適齢期の20代後半から30代前半でそのような高年収を得ている男性の数は激減しました。

年収600万以上の若い独身男性は、東京でも3.5%しかいない

ある結婚相談所の調べによれば、未婚の女性が結婚相手に望む年収は現在も、500万~599万円、600万~699万円が半数を占めます。しかし現実を見ると、令和元年における日本人男性の平均給与は、全世代を含めて540万円しかありません。国税庁の民間給与実態統計調査を見ると、20代から30代前半に限った場合、400万~500万円が普通なのです。首都の東京とそれ以外の地域では給与に差がありますが、東京ですら年収600万円以上の若い独身男性は3.5%しかいないのです。

新型格差社会』より

そのため結婚相談所を運営する会社やお見合い事業を運営する自治体の部署では、高年収の相手を望む女性に対して、カウンセリングで説得することがあるそうです。「年収600万円以上の男性」を希望する女性がいたら、「では、もしも年収590万円で、それ以外の条件はぴったりという男性が現れたらどうしますか?」というような質問をして、相手に望む年収のランクを下げさせるというのです。ランクを下げないと、紹介できる男性がいないからです。