値引き交渉の本気度が一般の人と全然違う

一般の人は、マイホームを購入する際にあまり値引き交渉をしません。値引き交渉が可能であること自体を知らない人が多いですし、値引き交渉をする場合でも端数を切り捨ててもらうのが精いっぱいです。

一方でお金持ちの場合は、「この価格なら買うが、それ以上なら買わない」という明確なラインを持っています。販売価格より1割近く低い価格で交渉することは多いですし、条件によっては3割低い価格で指値することもあります。

普通は「値引き交渉などしたら失礼じゃないか」と思ってしまう人が多いのですが、お金持ちは「損をしたくない」との気持ちが強いので遠慮はしません。

また、「価格が折り合わなければ買えなくても仕方ない」と考えていますから、強気の交渉が可能になります。普通の人は、いい家が見つかると「この家がどうしても欲しい」と思い込んでしまうので、値引き交渉も弱気になってしまい、うまくいかないのです。

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お金持ちは古い物件や汚い物件を好む

さらに、お金持ちには古い物件や汚い物件を喜んで選ぶ人もいます。価格交渉がしやすいからです。ただ、安全性は重視しています。たとえば耐震基準は1981年の建築基準法の改正で大きく変わりました。それ以前に建てられたものを旧耐震、それ以降に建てられたものを新耐震と呼びます。お金持ちは旧耐震の物件なら建物の安全性をよく調べ、問題がなければ土地値以下で買おうとします。

古い物件や汚い物件を交渉する際には、リフォーム代を高めに見積もり「住むにはこれだけ費用がかかる」と値引き交渉をします。古い物件や汚い物件は売主があきらめているケースも多いので、交渉が成立しやすくなります。

物件の状態によっては「建て替えが必要」と主張して、解体費用を値引き交渉の材料にすることもあります。その場合は上物の価格がマイナスになりますから、土地代よりも安く購入しやすくなります。