【方法3】ゲームで能動的に読む力をつける
親が目の敵にしがちなゲームも、読解力の向上につながる。石田さんはオンライン・ソーシャルゲームが、澤井さんはロールプレイングゲーム(RPG)がいいという。その理由は「プレイするために必要な情報を集める力が育つからだ」と口を揃える。
「オンライン・ソーシャルゲームでは、リアルな人を相手に対戦したり、仲間と協力します。うまくゲームを進めるためには、相手と会話をしたり相手のゲームの動きを観察したりして、自分から情報を集めていかないといけません」(石田さん)
「ドラゴンクエストなどのRPGでは、ゴールにたどりつくまでのヒントを登場人物からもらって進んでいきます。実はたくさんの文章を読まないと前に進めないのです。早くクリアしたいから、スピーディーに読むようになり、速読もできるようになりました」
さらに、得た情報のなかで大事なものを見つけ出す力も育つという。「RPGには選択肢の中から一つ選ぶ場面がよく出てくるんですが、こいつは絶対いらんわとか、こんなん選ぶやつおらんやろーという選択肢が混ぜてあります。これって、テストの四択問題の作りとまったく同じ。試験にも役立ちました」
ちなみに、石田さんは親も「ゲームっておもしろいね」と理解を示すことは非常に大切だという。
「子供は親に自分の好きなものを肯定されると心が満たされます。『どんなところが好きなの?』『今日はゲームで何をしたの?』などを聞いてあげれば説明する力もつくので、ゲームを目の敵にするのではなく、子供の成長を促すツールとして考えてみるといいでしょう」
【方法4】YouTubeで語彙を増やそう
石田さんは、子供が大好きなYouTubeも言葉の数を増やすのにいいという。
「ユーチューバーは子供たちにとって、憧れのお兄さん、お姉さん的存在。だからこそ、彼らの言葉を真剣に聞いています。子供が日常で使う言葉より、ちょっと難しい言葉を持っているのがいいんです。『なんでそんな言葉を知っているの?』と思ったら、YouTubeで聞いたということも多いです」
【方法5】口ゲンカも議論できれば力になる
親子でしてしまう口ゲンカ。いいことなんて何もないように思うが、そうでもないというのは石田さん。
「口ゲンカでは相手の言っていることの矛盾を突いて揚げ足を取ったり、自分の意見を通すために論破しようとしたり、頭がフル稼働します。そういう意味では、建設的な口ゲンカはとても論理力を鍛えられます」
たとえば、家のルールについて親子で話し合うことも、自分の意見をまとめたり、相手の意見を聞いて、妥協点を見つけたりすることも、良いトレーニングになるという。
「ゲームのやり方などのルール決めは、お互いに真剣に話し合えるので、いい題材になると思います」