ものさし①「投資・消費・浪費」

自分が使っている時間を次の3つに分けてみましょう。

写真=iStock.com/tatyana_tomsickova
※写真はイメージです

・投資=後々にリターンが見込めるもの
・消費=日々生活していく上で必要なもの
・浪費=無駄に使っているもの

時間を「未来のために使うもの」「今使うべきもの」「無駄使いになっているもの」、この3つに分ける癖をつけます。

例えば、SNSを目的もなくダラダラ見ている時間は、多くの人にとって「浪費」です。食事の準備をしている時間は生活に必要な時間なので、「消費」の時間になります。会社で上司に誘われてランチを食べている時間は、仕事のミーティングを兼ねたり、報連相や情報収集目的なら「投資」になりますが、ただ2人で食べるだけなら「消費」でしょうか。

本当は1人で読書しながら食べたいのに、断れずに付き合っているなら「浪費」になります(図1)。

出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
同じことでも理由や目的で投資か消費か浪費かが変わります

このように、自分が今過ごしている時間は「投資・消費・浪費」のどれに当てはまるのか、常にアンテナを立てておきます。こうすれば、自分の時間は今どれなんだろうという感覚が磨かれ、上手に時間を引くことができるようになるのです。

ものさし②コントロール可能か不可能か

「自分と他人」「未来と過去」

どれが自分でコントロールできて、どれがコントロールできないものでしょうか。答えは簡単で、「自分と未来」だけがコントロールできるものですね。誰でも頭ではわかっています。

ところが、時間の使い方で見ると、意外と自分がコントロールできないことに時間を使っていて、しかもそれらを「引くこと」ができないと思っている方が多いです。

例えば仕事において自分でコントロールできることとできないことに分けてみましょう。

自分でコントロールできること
・職種のためのスキルアップ
・仕事にかける時間
・他部署への異動願い
・社内でのコミュニケーションの取り方
・勤務地に合わせた自宅を選ぶ
など
自分でコントロールできないこと
・所属する部署
・仕事の内容や勤務時間
・社内で一緒に働くメンバー
・評価
・会社の場所
など

「会社が近かったらなあ」と言いながら、毎日往復2時間かけて通勤している人がいますが、会社の場所を自分で移動させることはできません。自分でコントロールできないことを嘆いても意味がないのです。

自分でできるのは「自宅の場所の選定」や「会社を変える」ことだけです。わかっているはずなのにコントロールできないことにこだわっているのは、はっきり言って時間のムダです。