価値観を明確にすれば時間は作れる
まず、時間を作る上で最も重要なのは、「時間の引き算」です。可能であれば、1日を振り返りながら自分の24時間のタイムログを作成し、使った時間を可視化してから行うと効果的です。
引き算とは「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めること。つまり自分の人生の優先度に基づいて、優先度の低いものにかける時間をやめることです。この時に大事になるのは「自分の価値観」です。
①自分の使っていた時間(見える化)-②価値の低い時間(引き算)=③本当にやりたいことに使う時間(足し算)
自分の価値観に基づいた「引き算力・やめる力」をつけておくと、「満足のいく時間」を増やせるし、それが長い人生の中で役立つ「力」になります。
でも、満足度を上げるには、「足し算」が先ではないの? と思われたかもしれません。
もちろん、すでに「本当にやりたいこと」がある人や、自分の「やるべきこと」が明確な人は、それに照らして時間の使い方を考えていったほうがうまくいくでしょう。
しかし、以前の私もそうでしたが、「本当にやりたいこと」や「やるべきこと」が何なのか、よくわからない人は多いのではないでしょうか。
それは、「自分にとって大事なことは何か」という自分の価値観が曖昧だからです。
「時間の引き算」をしていくと、自分の価値観があぶり出されます。やめることでやること、やりたいことが見えてくるのです。
ワーキングマザーに学ぶ「引き算力」
「自分はこんなことを大事にしていたのか」
「自分のやりたいことはこれなのかもしれない」
といった、価値観に基づいた「本当に使うべき時間」が見えてきます。
また、そもそも24時間という枠は決まっているので、まずは引いてやめる時間を作らないと「足し算」に使える時間の枠がありません。まずは、これから紹介する考え方とテクニックを使って、優先度の低い時間をやめていきましょう。
実は、この「引き算力」に長けているのは、日本のワーキングマザー(ワーママ)です。
日本は諸外国と違って、子育てや家事を外注することがまだまだ一般的ではありません。少しずつ変わってきてはいるものの働き方の多様性にも乏しく、女性が会社員として子育てしながら働くには、何かをやめて「引き算」しないと生活が回りません。こうして自ずとワーキングマザーたちの「引き算力」が磨かれていくのです。