国際社会が「中国の暴走」を止めなくてはならない

台湾への威嚇、香港民主派の封じ込め、WHOへの非協力、軍事・経済面でのアメリカとの対立。中国はどこまで暴走を続ける気なのか。

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中国共産党は来年の2021年7月に結党100年を迎える。新型コロナを抑え込み、経済は好調だと国際社会にアピールし、結党100周年の祝いの行事を成功させたいからである。

しかし、世界からは称賛の声は上がらない。習近平体制の下、強権的な共産党1党支配を強める中国は、国際社会との摩擦を繰り返す。習近平政権の強硬路線を抑え、中国の暴走を止めなくてはならない。

それにはまず、台湾を国連に正式加盟させ、「台湾は中国の一部」「中国と台湾は1つの中国」と主張する中国の思惑を断ち切ることである。同時に日本やアメリカをはじめとする国際社会が国連会議の公の席で厳しく中国の暴走を追求してくことも欠かせない。

読売社説は「地域の安定を脅かす危険な挑発」と指摘

中国の台湾威嚇について1月27日付の読売新聞の社説は「米新政権を試す露骨な挑発だ」との見出しを付けてこう書き出す。

「米国のバイデン新政権が台湾問題に介入しないよう、牽制する狙いがあるのは明らかだ。地域の安定を脅かす危険な挑発と言わざるを得ない」

読売社説の見方もアメリカに対する牽制である。中国はそれだけ米台の接近を気にしているわけだ。

読売社説は「中国軍機は、中台の事実上の停戦ラインである台湾海峡の中間線越えも繰り返している。台湾との偶発的衝突を招きかねない。直ちに中止すべきだ」と強く主張した後、こう指摘する。

「中国軍の様々な行動は台湾有事を想定しているとみられる。中国は軍創設100年の2027年をめどに、台湾に武力侵攻した場合に米軍が介入できないよう、戦力構築を目指しているとされる」

「台湾有事の想定」「台湾への武力侵攻」と中国はアメリカと戦う準備を本気で進めている。中国の思惑を何としてでも封じなければならない。そのためにも民主主義を掲げる国々が力をひとつにして習近平政権に立ち向かう必要がある。