米国に対して、中国が「内政干渉」と主張するのは筋違い

続けて読売社説は指摘する。

「習近平国家主席は国際会議での演説で『新たな冷戦を仕掛け、他国を脅し、制裁を行えば、世界の分裂を招くだけだ』と米国を暗に批判した。だが、緊張を無用に高めているのは中国ではないか」

読売社説の指摘の通りだ。「緊張を高めている」のは中国自身である。それを「新たな冷戦」という言葉を使ってアメリカを批判するのは、納得できない。アメリカだけでなく、国際社会が強く抗議すべきである。

さらに読売社説は書く。

「中国の台湾への威嚇は、東アジア全体の安全保障を揺るがす行為だ。これに対処する米国の動きについて、中国が『内政干渉』と主張するのは筋違いである」
「香港での自由の剥奪はくだつや南シナ海の軍事拠点化も含め、中国の独善的な振る舞いに対する危機感は、米国内で党派を問わず広く共有されている。習政権は、一連の行為が地域の脅威となっている実態を認識すべきだ」

中国は決まって「内政干渉だ」と主張する。筋違いどころか、道理から大きく外れた主張である。こんな横柄な態度を取り続ければ、やがて国際社会から相手にされなくなる。

「中国の台湾威嚇は、日本にとって対岸の火事ではない」

最後に読売社説はこう主張する。

「中国の台湾威嚇は、日本にとって対岸の火事ではない。台湾は、民主主義の価値観を共有している。日本など米国の同盟国が緊密に連携し、台湾との関係強化に努めていくことが重要である」

中国の台湾威嚇が日本に大きな影響を与えることは、菅義偉政権も理解しているはずだ。台湾だけでなく、香港の惨状もしっかり把握し、国際会議の場で中国の不正行為を強く訴えてほしい。