貧乏になってもいいから「愛されたい」という気持ちがあった

「稼げる仕事をしようと、風俗系もやったんです。画面の前で脱ぐエロチャットです。デリヘルも一回だけ……。レスに苦しんでいるので、性欲が強いのかなと思ってたんですけど、苦しくなっちゃって、向いてなかったですね。離婚直後は、平日は派遣、土日はチャットをやって、マジで死にそうでした。最近、転職して生保レディの仕事を始めたんですよ。派遣の一般事務しかしてきてなかったけど、正社員になって働こうって。それくらいのガッツがないとやっていけないと腹をくくりました。生保レディなら一応安定しているし、今は研修中で月収21万円ですけど、マックスで年収400万円弱にはなるみたいで。成績あげて頑張らないと」

そのほかの収入は、養育費の支払い4万円と児童手当4万円。養育費は、離婚の譲れない条件だったという。「養育費はいつまで払われるかわからないですけど」と危機感もあるようだが、離婚の後悔はないのだろうか。

「後悔はないです。不安もない。大丈夫です。主婦って、お金がないから離婚できないという問題がありますよね。ですが、自分を傷つける夫とお金のために一緒にいることは、私には間違っていることだった。もちろん、お金のために我慢するという答えも尊いと思います。でも、我慢できないくらい「愛されたい」という気持ちがあった。今一番大事なのは、息子と愛し合うこと。夫といたときは、夫の恐怖でストレスがたまって、子供に当たっちゃったこともあって申し訳なかったので。離婚したら一緒にニコニコする時間が作れるようになったので、今はいい方向に向かっている気がします」

理想の再婚相手は「穏やかな金持ち」

いずれは再婚したいという。理想の相手を聞いてみると――。

「穏やかな金持ち……結局、金持ちがいいですね。だけど、お金で困るから再婚したいというのは間違っている。やっぱり好きじゃなかった、だと意味がないですから。でもつい、経済的にすがっちゃいそうで……。そうならないためにも、1人で養っていける自信を持てないとダメだろうな。だから、ちゃんと恋愛するためにも自分で稼がなきゃいけない。なにより、年収高い人って性欲も強いと思うんですよ。だから、レスになることもないんじゃないかな。前の旦那はそんなに年収が高くなかったので。だけど、あまりにも快楽に走られると、自分が道具っぽく思えてしまうんですよね。最近会った人がそういう人で。私、男性の扱い方にすごく敏感なので……」

愛されたい。お金も必要。1人で子供を育てていく現実を前に、気持ちが揺れていた。子供のためにも自分のためにも稼がなくては。そう自分に言い聞かせるように語って、山本さんはこれから参加する合コンへと向かっていった。どうか離婚の決断が実を結ぶものであってほしい。

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