「世界で7400万人が感染死」と予測されている

鳥インフルエンザウイルスが変異し、新型インフルエンザがひとたび発生すると、人に免疫(抵抗力)がないために感染が拡大し、あっという間にパンデミック(地球規模の流行)を引き起こす。

WHOや厚労省の予測によれば、新型インフルエンザウイルスの毒性が強いと、世界で7400万人が感染死し、日本国内では最悪64万人が命を落とす。新型コロナの世界の感染死者数は約184万人(今年1月3日時点)で、新型インフルエンザの予測値の40分の1に過ぎない。

新型インフルエンザは、1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜ、そして2009年4月と計4回発生している。ちなみにスペインかぜは日本でもかなり流行し、分かっているだけでも39万人余りが命を落とした。

新型インフルエンザの発生のサイクルは40年から10年といわれ、すでにその周期に入っている。警戒と備えが必要だ。新型コロナウイルス感染症にばかり気を取られていると、とんでもないことになる。

読売社説は「鶏や卵の移動制限を迅速に行え」と訴える

鳥インフルエンザにどう対応すればいいのか。昨年12月24日付の読売新聞の社説は「鳥インフル感染 迅速な情報伝達が拡大を防ぐ」という見出しを付け、こう書き出す。

「鳥インフルエンザの感染被害が、過去最大規模に拡大している。防疫態勢を強化し、ウイルスの封じ込めに万全を尽くさなければならない」
「被害はすでに、四国や九州、近畿などの12県、計約40カ所に及んでいる。国内で今季1例目が確認されてから、わずか1カ月半しかたっておらず、極めて深刻な事態である」

「極めて深刻な事態」に対し、読売社説はどう感染を防ごうというのか。

「これ以上被害を広げないよう、感染が確認された地域の自治体は殺処分に加え、鶏や卵の移動制限を迅速に行うことが不可欠だ」

新型コロナ対策もそうだが、防疫の基本は移動の制限である。