防疫と社会活動のバランスを保つことが大切

それでは集団免疫が形成されるまでどうすればいいのだろうか。春や夏の第1波や第2波で経験したように非常事態宣言や欧米のようなロックダウン(都市封鎖)で感染拡大を抑え込んでも、それは一時的なものだ。

新型コロナウイルスをコントロールするには、人の移動制限などの防疫を実施すると同時に社会・経済活動を続けていくことが求められる。そこで大切なのがバランス感覚である。防疫に偏り過ぎるのも、人の動きを活発化させすぎるのもよくない。肝要なのはこの両者を天秤にかけて均衡を保つことである。

12月18日から1月11日の期間は、施設の利用料を割り引く「GoToイベント」と、飲食店を支える「GoToイート」の食事券についても全国で一律に新規の販売が停止される。こうした「GoToキャンペーン」はどれも人の動きを促すもので、確かに感染拡大の一因にはなる。だからと言ってキャンペーンを停止すれば、それで問題が解決するわけではない。

菅首相が「GoTo停止」を公表した夜に7人と会食

会食に対し、政府はGoToイートについての適用を「原則4人以下」の利用に制限するよう全国の知事に要請している。それにもかかわらず、菅首相がGoToトラベルの停止を公表した14日の夜、自民党の二階俊博幹事長や林幹雄幹事長代理ら計7人と会食していたとして批判を集めている。

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報道によると、問題の会食は東京・銀座の高級ステーキ店で開催された。プロ野球ソフトバンク会長の王貞治氏、俳優の杉良太郎氏、タレントのみのもんた氏、政治評論家の森田実氏らも参加していた。全員が重症化する可能性が指摘されている高齢者だった。アクリル板の設置はなく、菅首相自らが勧める「マスク会食」もなかった。

菅首相以外は20年前から時折集まっているメンバーで、菅首相は2時間ほど遅れた午後9時ごろに参加し、簡単に食事だけをして話もほとんどせずに帰ったという。