今まで抑圧されていた子の個性を活かしたい

【ピョートル】学校にアウトソースしていた教育が、コロナ蔓延時の自粛で、自宅学習しなくてはいけない状況になりましたよね。自分の時間の使い方に自覚的な子どもたちがいる一方で、そうでない子たちも大勢います。底上げをどう捉えているのでしょう。

ピョートル・フェリクス・グジバチ『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』(かんき出版)

【仁禮】早い段階で自覚が持てる子たちは、少ないけれど、確かにいます。その子たちは、今までの教育では逆にないがしろにされてきた子たちです。本人には先が見えているけれど、学校で他の子たちと同じレベルに合わせてコミュニケーションをすることができなくて、いじめに遭うケースもある。自分の言いたいことを口に出せず、もどかしい思いをしているケースもあると思います。

社会にはさまざまな役割を持った人や組織が存在していて、TimeLeap社の役割は、どちらかというと底上げより、まずはそういう現行の画一的なシステムに抑圧されていた子を救うことにあると思います。この子たちが活躍できるようになれば、「私もそうだ」と自分の才能や個性を活かせる子も出てくるでしょう。そうすれば、今まで変化しないままだったことも変化せざるを得ない状態に追い込まれるはず。

現在の教育は単一的ですが、今後選択肢が豊かになることで、底上げの意味も含め個別最適化された教育価値を、一人ひとりの子どもたちに提供できる未来が来ることを信じて、私は進み続けます。

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