お箸の上げ下げでも「育ち」はわかる

右手→左手→右手というように、お箸を取り上げる際には必ず三手で行うようにします。右手だけで取り上げる、もしくは、左手から取り右手に持ち替える、など粗雑な所作はなさらないように。お箸を置く時ももちろん三手で、この逆の順序で行います。そのような丁寧で美しいあなたのしぐさを、彼はきっと見ていますよ。

割り箸の扱いでも確実に『育ち』や品がにじみ出ます。あなたは箸留め、帯を破ってしまってはいませんか?

また、お箸を両手で縦に持って割ったり、2本のお箸をすり合わせてささくれた部分を削ったりするのも、もってのほか!

お箸は横に向けて持ち、淑女らしく手元で静かにそっと割りましょう。

お箸置きが用意されたお店では、お食事の途中も終了時も、お箸は必ずお箸置きに戻すようになさってください。ちゃんとご用意があるにもかかわらず、別の場所に置いてしまったりしていませんか? 器の縁部分に置く『渡し箸』はマナー違反です。

「気が利く女子力アピール」のつもりが…

多くの方が勘違いしているマナーに『逆さ箸』があります。せっかく彼にお料理を上手に美しく取り分けてあげようとしても、自分のお箸を上下逆にして使ったら、それはマナーを知らない女性と評価され、格下げになっても仕方ありません。きちんとお取り箸を使って取り分けてください。

もうひとつご注意いただきたいのが、良かれと思ってなさっているお皿の重ね置きです。食べ終わったお皿を、お店の方が片付けやすいように重ねて隅に置いておく、という光景はたまに見かけますよね。重ねてもまったく構わないお店なのか? もしくは、大切な器を傷つけてしまう可能性を好まないお店なのか?

また、下のお皿の汚れなどが上に重ねたお皿の底面に付着してしまうのはどう考えるのか?

お客さまが片付けることをありがたく、助かると思ってくれるお店なのか? はたまた彼への気が利く女子力アピールなのか? 純粋な親切心からだとしても、そのお店のランクなどをよく考えてからなさってください。

写真=iStock.com/Boris_Kuznets
※写真はイメージです