結局、女性の家事・育児時間が増加した世帯が多かった
続いて、時間の使い方の変化をみると、家族の在宅時間が長かったことから、男性の34.4%、女性の40.0%で「家族と過ごす時間」が増えていた。
ところが、「家事時間」は、女性の30.0%が増えたと回答していたのに対し、男性は14.0%、「育児時間」は女性の37.5%に対し、男性は19.4%と、家事・育児時間いずれも「増えた」と回答した割合は、女性が男性を15ポイント以上上回っていた。
男性も家事・育児ともに時間が増えた人はいたが、結局、女性の家事・育児時間が増加したケースのほうが多かったのだ。男性のほうが女性より、出社が減り、在宅勤務が増えて家事や育児がしやすい環境に変化したにも関わらず、である。
コロナ禍でみられた家事・育児に対する考え方の変化
一方で、働き方の変化による明るい兆しもみえた。同じ頃、内閣府が行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、感染拡大前と比べて、全体の6割程度で仕事への向き合い方などの意識が変化しており、全体の半分程度が仕事と比べて生活を重視するようになったと回答していた。子育て中の男性の5割超、女性の6割超が、家事・育児への向き合い方が変化したと回答していた。
こういった意識の変化を背景に、同調査によると、テレワークの利用など、夫の働き方が変化した家庭では、家事・育児での夫の役割が増加する傾向にあった。さらに、夫の役割が増加した家庭では、今回の新型コロナウイルスの影響による生活満足度の低下幅が、そうでない家庭と比べて、男女ともに小さかったという。