「日本のイメージを傷つける動きは放置できない」と読売社説

ドイツの慰安婦像の設置問題で、10月22日付の読売新聞の社説は「独に少女像設置 『反日』の拡散は放置できない」との見出しを掲げ、「歪曲された歴史観を国際的に拡散し、日本のイメージを傷つける動きは放置できない」と書き出したうえで、こう指摘している。

「市民団体は、少女像の目的について、『戦時下の女性に対する性暴力への反対』を表現するためだと説明している」
「女性の人権擁護が国際的に重要な課題であることは、言をまたない。だが、今回の少女像は反日的な政治宣伝の要素が強く、公共の場での設置には問題がある」

「性暴力への反対」「表現」「女性の人権擁護」。どれも欧米の国際社会が飛び付きたくなるような言葉や言い回しである。在ドイツの韓国系市民団体はよく考えて行動している。その狡猾さは決して侮れない。

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10月15日付の朝鮮日報によると、慰安婦像の設置は3年前から計画され、市民団体は日本政府に邪魔されないように内々に周辺の商店や住民への接触と打診を繰り返して支持を得てきたという。ドイツの女性団体にも頼って援助を受けた。今年7月初めにはベルリン市ミッテ区から「芸術作品」としての設置許可を得たというが、事実無根を象徴する少女像の一体どこが芸術なのか。

「軍が慰安婦を強制連行したという認識は事実に反する」

読売社説は続けて指摘する。

「碑文は、韓国の元慰安婦支援団体が像を寄贈したと記し、団体がソウルの日本大使館前で行っている抗議活動を紹介している。『日本軍はアジア太平洋地域の無数の少女や女性を拉致し、性奴隷の境遇を強いた』とも書いている」
「『性奴隷』という表現や、軍が組織的に慰安婦を強制連行したという認識は事実に反している」
「日本政府の調査で、強制連行を裏付ける資料はなかった。強制連行説の根拠となった『吉田証言』は、後に虚偽だったと判明したことを忘れてはなるまい」

慰安婦問題についての韓国側の説明や主張は、読売社説が指摘するようにことごとく間違っている。

読売社説は書く。

「韓国外交省は、日本が像の撤去を求めたことを、『元慰安婦に対する謝罪の精神に逆行する』と批判している。理解に苦しむ主張である。問題の本質は、少女像設置の動きを勢いづかせるような韓国政府の姿勢にある」

明快な指摘である。韓国政府に大きな問題があるのだ。

さらに読売社説は訴える。

「文政権はまず、ソウルの少女像の撤去に向けて、設置した市民団体の説得を進めねばならない」

しかし、文在寅大統領が市民団体を説得することはないだろう。おのれの政権を保つために、2年後の大統領選で再び勝利を得るために、市民団体の誤った行為を許容して反日を煽っているからだ。もはや文氏には大統領の資格はない。