家計カットには「家族の連携プレー」が重要
節約、家計カットを成功させる秘訣は、「家族全員で取り組むこと」です。
妻がエアコンの温度をこまめに調節しているのに、夫が冷蔵庫を開けっぱなしにするようなご家庭では、節約は進みません。
たとえば、スーパーでの買い物も、家族みんなで協力して。最近は、複数のスーパーの特売チラシが見られるインターネットサイトなどもあります(「トクバイ」など)。こうしたサイトを参考にすれば、近所のスーパーの特売品がわかるだけでなく、家族の通勤途中にあるスーパーで安く売っているものもわかります。家族にメールして、必要なら帰りがけに買ってきてもらうというような連携プレーで、安い買い物ができます。
車のガソリンも、今は安いガソリンスタンドがどこにあるかがすぐにわかるガソリスタンド比較サイト(「gogo.gs」など)があります。もし家族の誰かが、安いガソリンスタンドの近くに行く用事があればついでに立ち寄り、ガソリンを満タンにしてくる。これだけで、1リッターにつき10円も違ってくるケースが。
風呂なども、家族が間をおかずに入れば、追い炊きが必要なくなります。あまりお金をかけずに作った節約レシピでも、揃って食べればおいしく味わえるでしょう。
子供の教育費も、聖域にしないこと
もう1つ、家計の節約ではありませんが、支出を減らして家計を守るという観点で検討すべき重要な項目があります。「教育費」です。
「子供にかけるお金だけは削れない」と思っている親が多いようです。特に教育費は、絶対に削れないと思っているので、小さな頃から、さまざまな習い事をさせている。──けれど、それは本当に正解なのでしょうか?
独立行政法人国立青少年教育振興機構が、日本、アメリカ、中国、韓国の4カ国の高校生を対象に行ったアンケート(2015年8月発表)では、日本の親子関係は良好で、子供は家庭生活に満足しているが、社会との関わりを避けようとする「内向き」志向が見られます。
「頑張れば夢が叶う」「社会で高い地位に就きたい」「金持ちになりたい」などという意欲は4カ国中最低。そして、親の老後について「どんなことをしてでも自分で親の世話をしたい」と願う高校生の割合は、アメリカは51.9%、中国は87.7%なのに対し、日本は37.9%と、これまた低い。
これからの時代、大切なのは学歴よりも、社会に出てもたくましく、明るく、前向きに生きていける子供に育てること。また、子供の教育費は、高校、大学と進学していくにつれて、どんどん増えていきます。それなのに、小さなうちからお金をかけすぎていると、大きくなった時に資金不足で大学に行けなくなりますよ!
住宅ローン、生命保険など大きな家計見直しについては、『コロナに負けない! 荻原博子の家計引きしめ術』も参考にしてみてください。各家庭で「8割家計」にするための準備を進める。それがこれからの家計を守る極意です。