前期、全部門の売り上げがマイナスとなった日立製作所は、グループ全体で7000人の配置転換・削減を発表。古川一夫社長・庄山悦彦会長は事実上の引責辞任となった。

「これまでも、税金ばかり取られて手取りが減っていった。4月からは減給5%、ボーナスは30%減になる」

と、同社部長(47歳)は不安げだ。

「バブル後も厳しかったが、今は自分も人を切る立場。ストレスは多い」(同)

前期は7期ぶりの最終赤字転落と目される大成建設は、葉山莞児会長が4月末に代表権を返上し、日本土木工業協会の会長職も退く。某社員(47歳)が言う。

「表向きリストラはしてないが、成果主義と言いつつ成績が上がらない人の給与をどんどん落としてる。役人からいろいろ聞きだし、10年、20年先を見る仕事。単年度で結果など出ない」

月20万円の賃貸マンションに住む。子供2人のうち1人が私立高だ。実母の介護で預貯金を使い果たしたという。

14年ぶりの連結営業赤字が不可避となったソニーの旧係長クラス(36歳)は、中鉢良治社長退任・ストリンガー会長兼CEOの社長兼務に「ちょっとびっくり」。今後、世界で正社員8000人を含む1万6000人以上を削減する。

「35歳以上で10年以上勤務の人全員が対象になっている。40~50代だと、退職金に基本給の約5年分が上乗せされる。退職者は、実際には5、6月に出てくるのでは。ただ、2004~06年のリストラでは自ら転職する人もいたが、今は周囲も厳しいからね」

すでに、常駐していた協力会社との契約を打ち切るケースも出ているという。

花王も前期は連結営業減益が確実視される。商品開発部門の正社員(35歳)は、「僕のような末端はまだそれほど厳しさは感じていない。営業はまた違うでしょうが」と言うが、堅実さでは最右翼の同社ですら影響を免れえない。経済危機の深刻さを改めて印象づけられた。

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(ライヴ・アート=図版作成)