中年フリーターより留学生が欲しい

「フリーターって言っても最近は30代とか40代とかだよ、昔は若い子が来てたけど、いまの若い子でフリーターなんかやんないよね。氷河期でそのまんまフリーターとか、夢追ってそのままとか、そんなのが多いけど、やっぱ若い子が来るなら若い子欲しいんだよね、でも日本人の若い子なんて来ないから、留学生」

全員ではないが彼のようにバブルを謳歌した世代で成功した人、裕福なままに時を経た人の中には氷河期世代に無理解な人が一定数いるのが現実だ。もっとも彼らにしたって世代の違う赤の他人なんかどうでもいいのが本音だし、残念ながら当たり前の世間だろう。同世代として悔しいが、現実はそんなものだ。

日本人でバイトする奴は外国語も喋れない

「それに比べて留学生はいいよ、みんな若いし擦れてないもん」

もん、とかわいく言われても困るが、要は安い時給で言うこと聞いてくれて、労働条件など面倒くさいことは言わない都合のいい存在、ということか。年食った日本人の氷河期おじさんより若い外国人、バイトすらそうだ。

「それもあるけど、外国語ができるのも大きいんだよね、日本人でコンビニのバイトするような連中は語学できないし、でも留学生は中国人なら中国語できるし、英語もできる。日本語だってうちに来る日本人バイトよりマシじゃないかって思うくらいできる。まあ決められた接客用語使えりゃ、あとはいらないから、大事なのは外国語だね」

このコロナ禍にあっても、東京都の住民基本台帳上の外国人の数は55万8989人(2020年7月時点、東京都人口統計課調べ)である。そのおよそ55万人の外国人のうち、中国が22万人でダントツ、ついで韓国の9万人、ベトナム、フィリピンなどが共に3万人前後で続く。ネパール、台湾、アメリカがそれぞれ2万人前後、インド、ミャンマーが1万人前後である。

これだけ見れば、中国語と韓国語が東京にあふれている理由がわかる。中韓合わせて31万人、これは住民基本台帳上の数字なので実際はもっと多いはずだ。インバウンド目当てばかりでなく、都心のコンビニでは日常において中国語や韓国語を話せる店員が必要とされている。実際に都心のコンビニ店員は外国人だらけだ。