「ケンカしてください」ととにかくお願いされる
週刊女性PRIME(7/13〈月〉4:00配信)が、フジテレビの日曜日に放送している「ザ・ノンフィクション」でもやらせがあったと告発している。私はこの番組が好きで、録画して見ている。この中に、「マキさんの老後」という人気シリーズがあった。オナベのジョンさんとオカマのマキさんの「老年」ではない中年カップルだ。
マキさんがこう話す。
「とにかく“ケンカしてください”と言われるんです。ケンカするまで帰ってくれないから早く帰ってほしくてケンカをしていましたね」
マキさんは、生活費として10万円入れているのに、「たった2万円しか生活費を入れずに威張り腐っているオカマとして放送されたんです」。
究極のやらせはこんな具合だ。
「年越しのシーンで言い合いになった際に私が怒ってワインボトルを割ったように演出されました。ガチャーンという効果音がはめ込まれていたんです。もちろん私はボトルを割っていません!」(マキさん)
こんな番組がノンフィクションであるはずはない。私が知っているだけでも、やらせがあったように思えるシーンがいくつかあった。ときには面白いものもあるだけに残念だが、フジは、きっちり調べて、彼女たちのいうことが事実なら、番組内で謝罪すべきである。
NHKは戦前のような「国策放送会社」になった
フジテレビでは、コロナの感染者が出たことも隠していたという。感染者は昼のバラエティー情報番組「バイキング」だとNews Socra(7/31)が報じている。
「関係者によると、30日午後にスタッフの感染が報告され、幹部が夕方の報道・情報番組での公表を決めた。しかし、その後、遠藤社長が直接、報道局長などがいるフロアーに現れ、『そこまで認めていたわけじゃない』と強い姿勢で、放送での公表を止めるよう求めた。その後、報道局長なども加わって協議し、放送での開示は取りやめ、ホームページで番組名は伏せる形で、いわば『こっそり』(局関係者)と公表した」
もはやフジテレビは報道局を潰したほうがいいのではないか。
今さらここでNHKを持ち出すまでもないが、新型コロナウイルス感染が拡大する中で、NHKは完全に戦前のような「国策放送会社」になってしまった。
感染者数を一日に何度となく繰り返すことはもちろん、政府のいうことを検証もせずに垂れ流すだけのメディアに成り下がっている。
「1937年に日中戦争が始まり、総力戦体制が進展すると、監督当局からは積極的に番組指導を行うべきとする見解が示されるようになり、監督当局と放送協会の関係も、監督・被監督の関係から、両者が協力して国策に合致する情報を発信していくものに変化した」(NHK放送文化研究所「戦前・戦時期日本の放送規制」より)