6パターンでわかる企業動向
3つのCFにそれぞれプラスとマイナスがあるので、その組み合わせは8パターン。ただ、3つともプラスあるいは3つともマイナスのパターンは起こりにくいので、一般的に6パターンとなります。実際のC/Sを見るとき、どのパターンに当てはまるかを見るだけで、企業の状況を把握できます。
図に示す①健全型C/Sは、本業で得た資金を投資や借入金の返済に充てている状態ですから、企業のあるべき姿のひとつといえます。②積極型C/Sは事業拡大フェーズにある企業に多いパターン。本業で得た資金を投資に回し、足りない資金を借入で調達している状態です。③改善型C/Sは事業を縮小しようとしている企業に多いパターン。本業と設備の売却で資金を確保して、借入金を返済している状態です。
④衰退型C/Sは事業が衰退している企業に多いパターン。本業の資金がマイナスで、設備などの売却で資金を確保して借入金の返済をしている状態です。⑤勝負型C/Sは資金繰りが厳しい企業に多いパターン。本業の資金がマイナスでも借入によって投資を行っている状態で、ベンチャー企業などに多く見られる形です。⑥救済型C/Sは企業として相当に厳しい状態です。本業で資金がマイナスになり設備の売却で補っていますが、それだけでは足りずに借入で対応しています。
たとえば、名刺管理ツールを提供するSansanのC/Sは②積極型。一般的に、料金後払いの場合には、利用者が急拡大すると設備投資の費用が先行して資金ショートする可能性があります。しかし、同社はサービス提供前に料金を受け取るので、その資金を利用して設備投資ができる点が有利です。