米国か、中国か。韓国はどちらの踏み絵を踏む
これは駐留経費負担と防衛公約との関係について触れる中で飛び出したフレーズだというが、在韓米軍の駐留経費に関して交渉が難航し、韓国人職員の経費に関しては韓国側が2020年末までは全額支払うことで何とか合意にこぎつけた韓国としては、聞き捨てならない言及であったに違いない。アメリカは北朝鮮の南北連絡事務所爆破に対し、6月17日に「アメリカ政府は南北関係における韓国政府の取り組みを全面的に支持している」「(北朝鮮に)非建設的な行動を控えるよう求める」と声明を発表しているが、韓国が中国ではなくアメリカの側に付いたとしても、当然ながらそれですべて安泰というわけではないのだ。
トランプは今年11月の大統領選挙に向けて米朝対話が進展しそうならそのカードを使い、そうでなければ経済における中国との対立姿勢をより強く打ち出すだろう。一方で、コロナや人種問題を火種とする米国内の混乱の中で、「世界よりもアメリカ社会に目を向けるべき」との世論が高まれば、同盟国とはいえ韓国の軍事的危機にアメリカがどこまで出張ってくるかは分からない。それは北朝鮮のミサイルの脅威に加え、中国との間に尖閣問題を抱える日本にとっても決して他人事ではないはずだ。