第2波が襲来し、株価が下落した時にチェックするデータとは
新型コロナの第2波の襲来によって株価が再度下落する可能性については多くのアナリストが言及しています。では、株価が下がり始めた時に、その下落が単なる調整なのか、いったんリスク資産から撤退した方がいいのでしょうか。その判断は非常に難しいです。そこで、全てを網羅しているわけではではありませんが、2つのデータをチェックすることで、株価の下落の意味を見定めるヒントになるかもしれません。
ポイントは「長期金利」と「ドルインデックス」です。ドルインデックスとは、ユーロ・円・ポンド・スイスフランなど複数の主要国通貨に対する米ドルの価値を指数化したものです。「ドルインデックス」の数値が高いと主要通貨に対して米ドルが買われていること(ドル買い)を示し、低いと米ドルが売られていること(ドル売り)を示します。
『量的緩和2.0 コロナ危機後の投資戦略』の中で、岡崎 良介氏は「長期金利」と「ドルインデックス」について言及しています。株価が下がっても、長期金利とドルインデックスが上昇していなければ、米国の金融市場はFRBのコントロール下にあります。しかし、長期金利とドルインデックスが上昇した場合は、米国債の下落・ドル高になり、再度流動性危機の襲来であり、リスク資産から撤退し、FRBの次なる打開策を見届ける必要があります。最悪のシナリオとして、株価下落する中で、長期金利上昇(米国債の下落)、ドルインデックス下落(ドル売り)というトリプル安の展開になった場合は“破産”のサインの可能性があります。長期金利の上昇を伴った無秩序なドルの下落が起きた時には、FRBの打開策が見つからないでしょう。こうした事態が長期化してしまうと、ドル基軸通貨体制の崩壊、つまり、現在の資本主義社会の崩壊も懸念されると述べています。
この先、株価の下落が起きた場合に、長期金利とドルインデックスの動きがどのようになっているのか、上記のシナリオを参考に投資行動をし、個人投資家は自らの資産を守っていただきたいですね。