夫は仕事そっちのけでゲーム三昧
S美さんが、仕事に邁進しているとばかり思っていた夫の裏の顔に気づいたのは、それから1カ月後のことだった。その日は久しぶりに近所の薬局でマスクが買えるという情報が入り、行列に並ぶ間、留守番をしてもらおうと夫の部屋をノックもせずに開けたS美さん。そこには、パソコンに向かってゲームに夢中になっている夫の後ろ姿があった。ゲームに熱中するあまり妻の侵入に気づいていなかった夫は、「ねえ、何してんの?」という妻からの冷ややかな声にビクッと背中を震わせた。イタズラが見つかった子どものように慌ててゲームの画面を消した瞬間、次にパソコンの液晶画面に現れたのはアダルトサイトだった。
「この1カ月、私が不得意な家事に孤軍奮闘している間、夫はずっとゲームとアダルトサイトに興じていたのかと思ったら、あまりにも腹立たしくて怒りがピークに達した。親のことや世間体を考えると離婚はしたくないけれど、しばらく夫とは顔を合わせるのもイヤ」とはS美さん。それほど反省をしていない様子の夫にも、いまだS美さんのイライラは募るばかり。今も夫の顔を見ただけで、激しい頭痛と動悸が止まらないと話す。
「不倫相手のおかげ」でコロナ離婚を回避
【Case2】不倫相手との絆が深まった
「コロナ離婚をしないで済んでいるのは、不倫相手の存在があるおかげ」と淡々と語るのはK子さん(41歳)。K子さんの不倫相手は、彼女の職場の同僚で、K子さんと同じ年齢の既婚者。不倫関係がスタートして半年になる。K子さんいわく「鈍感な夫にはバレていない」とのこと。11歳年上の夫との間に子どもはなく、3年前から「夫のイビキがうるさいから」という理由で寝室を別にしている。年齢差があるせいか、結婚当初より夫のモラハラ気味の言動が目立っていたが、新型コロナウイルスの問題が大きくなるにつれ、さらにひどくなっていった。
ワイン好きの夫は、これまでは部下や後輩をつれて毎晩のようにイタリアンやフレンチの店に出掛けていたが、自粛生活がはじまってからは自宅で夕食をとることを余儀なくされることに。そのことに不満を募らせていたらしく、「いつまでこんな食事が続くのか」「お義母さんに料理を教わらなかったの?」「こんなにまずく料理するほうが難しいよね」などと妻に向かって言いたい放題。「それでも我慢できたのは、毎晩不倫相手とLINEのやりとりをしていたからです」とK子さん。