推古天皇も持統天皇も女性
「女性が即位するのは伝統に反する」と考えている人もいるようですが、それは誤りです。天皇家の系図を確定した「皇統譜」によれば、女性天皇は8名おり、そのうち2名が重祚(退位後再び天皇となること)しています。
「女性天皇は、天皇としてふさわしい男子が存在するまでの『繋ぎ』でしかなかった」という主張もあります。そうした女性天皇もいたようですが、すべてがそうではありませんでした。たとえば、推古天皇は中国が隋から唐に代わる時代の内政と外交を担い、元明天皇は平城京遷都を成し遂げました。上表のように、他の女性天皇も活躍しています。これらの業績が天皇ひとりの力ではないにせよ、激動の時代を女性天皇が担った意味は重要で、単なる「繋ぎ」とは言えないものがあります。
今後、男系男子の継承が今後も安定して続くのなら、特に女性天皇や女系天皇を支持する必要はないと思います。しかし、現在の皇室を鑑みるに、男系男子継承は困難であると予測される状況です。男系を重視して、旧宮家復帰や江戸時代の東山天皇に繋がる男系男子の継承も提唱されていました。しかし、天皇家との血縁関係も隔たり、平素の生活も一般市民と同じになっているなどの理由から、支持者は減っています。こうした困難性を回避するには、皇室典範にある「男系男子」を「天皇の子女」と改正するのがよいと私は考えます。それにより、安定した皇位継承が期待されるからです。