住宅ローンの返済が滞るとどうなるのか?

では、もし住宅ローン返済が滞った場合、どうなるのだろうか? 時系列でみてみよう。

残高不足で、つい、うっかり延滞してしまっても、すぐに銀行から連絡が来るわけではない。滞納2カ月くらいまでは、コールセンターからの電話や郵便物などで督促がくる程度だが、そこで連絡せず、延滞したままにしておくと「延滞遅延金」が発生してしまう。

昨今の低金利の影響で住宅ローンも低い水準が続き、変動金利なら0.3~0.4%で借りられる。それが住宅ローンの遅延延滞金の金利は14.6%。これが、返済日の翌日から支払い遅延した元金に対して日割りで利息がかかってくる。

例えば、住宅ローン残高3000万円、遅延した月の返済元金15万円、遅延日数20日の場合、遅延損害金は1200円(=15万円×14.6%÷365日×20日)だ。

微々たる金額と感じるかもしれないが、日割りで計算されるだけに、そのままにしておくと、チリツモでとんでもない金額になる可能性もある。

督促されだすと早ければ、3カ月で一括返済を求められ、さらに滞納が続くと、6カ月くらいで競売にかけられ売却処分という流れだ。

もちろん、最終的な選択肢である競売は避けたいだろうが、仮に、返済のめどがつかず、競売で家が売却できたとしても、それがローン返済額を下回れば、マイホームを手放すだけでなく、住宅ローンという債務が残る。

最悪は、団信失効で死亡しても住宅ローンが弁済されないこと

このほかにも、延滞した場合のデメリットは少なくない。いくつか例を挙げてみよう。

● 優遇金利の対象から外れる

住宅ローンを返済している人の多くは「優遇金利」が適用されているはずだ。

これは、文字通り優遇されている金利のこと。それぞれの金融機関が設定する所定の条件(給与振込口座や公共料金の引き落とし口座の指定、ネットバンキング登録など)を満たした場合、店頭金利(基準金利)から、優遇金利が差し引かれて適用される。

優遇金利の適用期間や優遇幅は、金融機関や商品によって異なるが、延滞が発生すると、対象から外れ、一気に毎月のローン返済の負担額がアップしてしまう可能性がある。

クレジットカード作成や新たなローンが借りられなくなる

延滞すると信用情報機関の事故情報リスト(いわゆるブラックリスト)に記録が残り(5~10年)、新規のクレジットカード作成や利用、新たにローンを組むこと等ができなくなる。ブラックリストに掲載される基準は、「61日以上の延滞または3回目の支払日を超える延滞」が目安なので、3回以上の延滞は要注意だ。

団体信用生命保険の保険金が支払われない

最悪なのは、債務者(夫など)がコロナで亡くなっても、団体信用生命保険(団信)が履行されない可能性があることである。

住宅ローンを組む場合、団信への加入が借入時の条件で、万が一、債務者が死亡した場合等は、ローン残高に相当する保険金が支払われる仕組みとなっている。

団信は、契約者=銀行、被保険者=債務者だが、延滞が続くと、銀行から保証会社に住宅ローンの債権が移る。その時点で、団信は失効(というよりも終了)してしまう。

実際、債務者(夫)の長期入院中に、妻は住宅ローンが延滞していることに気づかず、夫死亡後、団信で住宅ローンの残債が弁済されなかったケースもある。

借金(マイナスの財産)も相続の対象となるので、遺族は、相続放棄等の手続きをするか、保証会社から債権回収を請け負った業者に住宅ローンを返済し、最終的に返済できなければ、競売となる。要するに、延滞しても何一つ良いことなどない。