「リーマン・ショック級」なのか?
新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で、世界の資本市場が「大荒れ」だ。特に、近年経済も株価も好調だった米国の株価下落が著しい。世界の市場はつながっており、特に日本の株式は海外の影響を受けやすく、日本の株価も大きく下落した。
中国に問題がとどまると思われた新型ウイルスの感染症が、欧州や米国など世界に拡がり、多くの国で人の移動の制限、イベントの中止、飲食店・小売店の営業停止などが発令され、経済活動に大きな悪影響が出る事態になったことが直接的な原因だ。
株価の下落ぶりや、政治経済の混乱ぶりは、2007年のサブプライム問題から発して2008年に米国第4位の証券会社だったリーマン・ブラザーズ社が破綻した「リーマン・ショック」に似た雰囲気を醸し出している。諸外国の政府が打ち出している対策を見ると、多くがリーマン・ショックと同等かそれ以上の規模だ。
昨年の消費税率引き上げ前によく聞いた「リーマン・ショック級の事態が起こらなければ(消費税率引き上げを予定通り行う)」という表現で言っていた「リーマン・ショック級」は既に十分満たされているようにも見える。
今後、世界経済にリーマン・ショック級の影響を与えるか否かの鍵は、コロナ問題の経済的影響が金融機関の破綻をもたらすような、金融システム問題につながるかどうかだ。端的に言って、大手銀行が破綻するような事態が起こるかどうかだ。