コロナで銀行への相談がじわじわと増加

コロナの影響によって、返済不安が高まり、住宅ローンを見直す人が増えている。

首都圏にある銀行の担当者に聞いたところ、実際に、影響はじわじわと出ており、特に自営業者等に関しては、平日でも3~4件の相談は当たり前だという。

住宅ローンだけでなく、資金使途が自由なフリーローンや既存借り入れの奨学金の返済に関しても相談がかなり増えているそうだ。

それもそのはず。誰もが、このような状況になるとは思いもせず、ここ数年、住宅購入への意向は強かった。

住宅市場動向調査(※1)によると、2019年度の一般消費者の住宅の買い時感は、「買い時」が53.4%(前回調査50.6%)と半数以上を占めていた。

※1:住宅金融支援機構「2019年度における住宅市場調査について」(2019年5月)

2019年は、10月から消費増税が実施されたものの、マイナス金利政策の導入以来、依然として住宅ローン金利は低かったこと。増税にともない、すまい給付金や贈与税の非課税措置、住宅ローン減税などが拡充されたことに後押しされて、買い時と判断した人が多かった。

「共働きだからリスクが低い」という誤算

そして、実際に購入した人の平均像はどうだろうか?

2019年に首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県等)で、新築分譲一戸建ての購入者を対象に行った調査(※2)によると、平均購入価格が3902万円と、前年より400万円近く低下したものの、契約世帯の平均年齢は36.3歳(前年36.5歳)と「30~34歳」(31.2%)が最も多い。

※2:株式会社リクルート住まいカンパニー「2019年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調」(2020年4月3日)

また、5年前(2014年)と比べると「20代」(17%)の占める割合が増え、ライフステージでも「DINKS世帯(夫婦のみの共働き家庭)」(19%)の増加が顕著となった。

ただし、20、30代の若年層の購入者が増えたことで、平均世帯総年収と平均自己資金は、712万円(前年763万円)と514万(同614万円)と、前年より大きく下回っている。

購入者の平均的な実態から、「いずれ買うなら、若くて子どもがいない共働きの間に、住宅を購入したい」という意向が透けてみえるが、相対的に、この世代は収入や預貯金などが少なく、家計を維持するための体力(資本)が脆弱だ。

「共働きだから、どちらかが病気で倒れても何とかなる」と思っていても、今回のコロナ禍のように、自分たちの努力では何ともしようがない状況下では通用しない。

ちなみに、同調査では、新築分譲マンションの平均購入価格は5517万円と、戸建てよりも1600万円以上高かった。戸建て派もマンション派も影響があることに変わりない。