志望する大学が決まっているなら、受けてみる

確かにAO入試は、面接や小論文の対策といった、学科試験とは別の試験対策が必要なので、受験生の負担も大きい。「しかし、一定以上の学力を備え、志望する大学が決まっているなら、受けてみる価値は十分にあります」と綾部さんは強調する。

21年度には、大学入試制度のさらなる変更も待ち受けている(図5参照)。現行のAO入試は「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」と名称が変わり、いずれの選抜方法でも、調査書などの出願書類だけでなく、「各大学が実施する評価方法」、あるいは「大学入学共通テスト」も取り入れ、学力重視へとシフトする。ということは、学力の高い受験生は、AO型入試でも有利になるわけだ。

受験生の現役合格志向が強まるなか、中堅クラス以上の大学では、AO型入試が選択肢の1つとして受験生の人気を集め、難度もアップしそうだ。その半面、底辺クラスの大学では、退学者を大量発生させるAO型入試の実態は変わらず、わざわざAO入試で進学するのにどれだけ意味があるのだろう。どうやら「大学の二極化」はAO型入試でも進んでいくようだ。

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