もうひとつ大きな変化があった。若手社員のモチベーションが上がったのだ。

マインドマップ会議で情報共有し、業務の全体像や方向性も確認でき、その中で自分はどのパートを担当しているのかとポジションも把握できる。だから、ただ命令されてやらされる、のではなく、自分たちで決めたロードマップに沿って働くという気持ちになれる、というのだ。実行の「馬力」が違うのである。

重要な情報は上層部だけが握り、若手は考えずにカラダを酷使して現場を駆けずり回る。それでは若手は、自分はただの使い走りだと疎外感を感じることになるが、オープンでフラットなマインドマップ会議に参加していれば、頭とカラダを使って仕事をすることができる。さらに、こんなメリットもある。

「引き継ぎでも通常業務でも、全体像や重要ポイントが理解できている課員になら、『これ、ちょっとやっておいて』と必要最小限の説明で意図を伝えられます。会議を一度しっかりやっておけば、その後の仕事は大幅に効率化・スピード化できるのです」(中村氏)

週1回の会議の初めは、「週末の出来事」をテーマに一人ひと言タイム。対面コミュニケーションが苦手な人にとっては、この後に開かれる会議での“自己開示”のいいリハビリになり、またメンバーの経験知が披露されることで、さらにチームの結びつきが深まる。