二世帯住宅で節税する方法

私道を持っていない人も他人事ではない。なぜなら、住宅用地にも、さまざまな固定資産税の軽減措置があるからだ。固定資産税は、土地の評価額である「課税標準」に各市町村が決めた税率を掛けて計算していく。そのうち課税標準について、住宅一戸当たり200平方メートルまでは6分の1へ、それを超える部分については床面積の10倍を上限に3分の1へ軽減される。自宅内の広い敷地に子供の家族が住む別棟を建てると、200平方メートル×2=400平方メートルまでの課税標準が6分の1となり、大きな節税効果を生んでくれる。

同じようなケースとして、1つの建物に親と子の家族が住む二世帯住宅の建設も想定できるだろう。もし、1階と2階とで完全に分離されてお互いに中で行き来ができず、玄関も別々になっていれば、2つの住宅として認められる。つまり、別棟にしたときと同じ400平方メートルまで課税標準が6分の1に軽減されるのだ。

また、1階を店舗、2階を住居としていたものの、店舗を閉めて住居専用に改装したような場合も、敷地すべてが住宅用地になって固定資産税の軽減措置の対象となる。しかし、店舗から住宅へ利用形態が変わったケースでは、所有者が市町村に用途変更の届け出を怠らないよう注意したい。届け出を忘れ、後から過大徴収分の返還を請求しても、納税者の不注意とみなされて、さかのぼっての返還を請求できなくなるからである。

(伊藤博之=構成)