食べるなら午後2時~4時ごろがオススメ

実は体内のBMAL1の量は一日のうちで増減することを知っておきたい(図表1)。その働きを解明した日本大学薬学部の榛葉繁紀教授が説明する。

脂肪をためこむBMAL1は午後2時が少ない ※ピーク値を100%とした時の日内変動のイメージ

「量が最も減るのは午後2時から午後4時ごろにかけて。ですからこの時間の間食は脂肪になりにくいといえます。反対にBMAL1の量が増えるのは午後10時以降から深夜2時ごろ。最も少ない時間帯に比べると80倍にもなり、同じ物を食べても、遅い時間に食べると太りやすいのです」

撮影=笹井恵里子
榛葉教授

脂肪が気になる人は、夜間にチョコをパクパク食べることだけは控えよう。

しかしチョコそのものは、さまざまな健康効果があり、日々継続して摂取したい食品の一つである。さまざまな研究結果からその具体的な健康効果、またチョコの種類の選び方をひもといていきたい。

体をサビつかせないチョコレートの抗酸化作用

チョコレートには、カカオ豆(カカオの樹の果実の中にある種子)が原料に使われている。カカオ豆を発酵・乾燥し、焙炒・粉砕後にシェル(皮)とジャーム(胚芽)をのぞいて得られるものがカカオニブ(胚乳)であり、これを磨砕してできるペースト状のものを「カカオマス」という。

カカオマスを圧縮してココアバターを取り除いた残りを粉末化したものが「ココアパウダー」、これに適量のココアバター、糖分や香料などを加えたものが「チョコレート」だ。カカオ豆には、アンチエイジング効果が高いポリフェノールがたっぷり含まれ、体内の「酸化」を抑える働きがあることがわかっている。

酸化とは活性酸素によって体が“サビる”こと。もともと私たちの体にも酸化を抑える機能が備わっているのだが、強いストレスや喫煙などによってあまりに大量に活性酸素が発生すると、処理が追いつかない。特に40代以降になると、活性酸素を処理する働きが低下する。意識して抗酸化作用のある食べものを取ることが大事なのだ。

便秘を防ぎ、結腸がんの予防効果も

カカオ含有量が高いダークチョコレートには100グラムあたりのポリフェノール量が、りんごや赤ワイン、コーヒーなどと比較しても多く含まれ、強い抗酸化作用があることが報告されている(図表2)。