「仕組預金」の高金利に騙されるな

図を拡大

高金利の仕組預金は、要注意だ。

仕組預金は、デリバティブなどを使って、高い金利を出している。「当初3年間は0.9%、それ以降は10年目まで1.3%の定期預金」と聞くと、低金利の中では魅力的に見える。だが、中途解約すると元本割れする危険があるうえに、満期になっても、預けている金融機関の都合で解約できないケースが出てくる。前述の商品では、当初3年は0.9%で、3年で見直しが入る。そのとき、ほかの銀行の金利が仮に2%になっていたら、そこで解約して預け直したいところだが、金融機関が解約させないと言えば、それ以降1.3%で預けるしかない。預金者は、10年間は金融機関の言うままにならなくてはいけないという、およそ預金者にはメリットがない預金だ。

家を買うなら、「低金利の今が買い時」という言葉をよく耳にする。金利も低く、減税もあり、建物によってはエコポイントもつくのでおトクということのようだ。だが、住宅ローンについても注意が必要である。

依然として地価は下がり続けていて、収入に不安を抱える人も増えているために、住宅価格が、この先どんどん上がっていくことは考えにくい。また、心配なのは、給料に不安がある中で、多額の住宅ローンを背負って果たしてやっていけるかということ。住宅ローンが払えず、家を手放さざるをえない件数は、まだまだ増えている状況。

どうしても買わなくてはいけない人は、最低でも住宅価格の2~3割の頭金を用意し、ローン額を最小限に抑えておくべきだろう。

また、都銀や地銀だけでなく、ゆうちょ銀行にも注意が必要だ。国がバックにあるという安心感から、「郵便局」の金融商品が売れている。だが、「郵便局」が売っているからといって、必ずしも安全とは言えない。

現在、「郵便局」では、20本の投資信託を売り出しているが、すべてが売り出し時の1万円の基準価格を割り込んでいる。なかには、基準価格3772円(5月28日現在)という惨憺たる状況のものもある。変額個人年金保険も、4商品のうち2商品は、成績が悪くて売り止めになり、残る2商品についても、売り出し時点を下回っている状況だ。