欧州大波乱! 隠れた「罠」を見抜け
まとまった額のお金が入ると、将来のことを考えて、少しでも運用したくなる。
ただ、ここにきて世界経済に思わぬ暗雲が立ちこめてきた。ギリシャ危機を機に、欧州通貨への不安がいっきに噴き出し、株が売られ、円が買われて円高になってきたのだ。
しかも、破綻の危機に瀕しているギリシャに次いでスペインでも銀行が破綻し、ヨーロッパの銀行の不安定さが表面化していて、ポルトガル、イタリアといった国々も、ドミノ倒しのように信用不安が表面化する懸念が出てきている。そうなると、こうした国々に多額の貸し込みをしているドイツ、フランスも無傷ではいられない。さらに、欧州との取引が多いアメリカや中国といった国々も、影響を受けざるをえないということで、世界的に危機意識が高まっている。
欧州の問題は、一朝一夕に片付くものではなく、まだまだ波乱が予想されるだけに、年内は大きな投資を控えたほうがいいだろう。
こうした時期だからこそ、買ってはいけない金融商品、仕組みとして有利でない金融商品をしっかり見極めておいたほうがよさそうだ。
まずは銀行で取り扱っている商品から見ていこう。
外貨預金は、国内の預金に比べると金利が高いものが多いが、為替の動向次第では大きく元本割れする可能性がある。すでに、1年前にドルで預けた人は約1割の目減り、ユーロで預けた人は約2割目減りしているはずだ。
では、この先、為替はどう動くのか。
ギリシャに端を発した危機は、その後、スペインなど、ほかの国にも広がる様相を見せ、まだまだ収束の気配が見えない。欧州との取引が多いアメリカ、中国なども少なからず影響を受け、円は、ユーロだけでなくドルや元に対しても高くなっている。こうした状況を考えると、当面は外貨預金はやめたほうが無難だろう。