「自転車に武器載せて走行したら最強じゃね?」

今では当たり前のように走っている自転車は、19世紀のアメリカで実用化され世界に広まっていきました。当時まだ目新しかった自転車、人々は考えます。「コレに武器を乗せたら強いのではないか」と。こうして生まれたのが、モーター・スカウトと呼ばれる世界初の装甲車です。

イラスト=ハマダミノル
一応後部に小さなエンジンを積んでいますが、非力で上り坂はペダルが頼り。

この兵器は1898年、イギリスの発明家フレデリック・シムズによって開発されました。装甲車といっても現代のような兵器とは違い、四輪の自転車に機関銃を載っけただけの安っぽい自転車です。サドルの前に機関銃が載せてあり、敵に撃たれても平気なように最低限の板が置いてありました。こんな見た目ではありますが、第一次世界大戦以降の兵器の機械化へ大きく貢献したのです。

街を押しつぶす長径600mのラグビーボール

世界に最強の兵器があったとしたら、それは何でしょうか。人々はその答えを出すためにさまざまな兵器を考えてきました。なかでも風変わりなものが、ロシアが第一次世界大戦中に妄想した、要塞破壊兵器オーボエです。

イラスト=ハマダミノル
こんなものが転がってきたら、たまったもんじゃありません。

それは、全長600メートル、最高時速500キロの球体ですべてを押しつぶすというトンデモ兵器でした。つまり、東京スカイツリーとほぼ同じサイズの超巨大ラグビーボールが、リニアモーターカー並のスピードで転がってくるというもので、あまりにムチャクチャすぎてすぐに計画中止となりました。