ナイキ開発担当「半年前に完成していた。今は2024年向けを開発中」

デザインはアッパーがブラックで、ソールはネオングリーンと呼ぶ緑色系。しかし、真夏のマラソンで光を吸収する黒色のシューズは考えにくく、東京五輪に合わせてニューカラーを発表すると思われる。大舞台ではもっと目立つカラーリングのシューズになるだろう。

「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」より20gほど重くなったが、その分、エネルギーリターンは高まった。「厚さは速さだ」というキャッチコピーの下“超厚底”の世界に突入したことになる。

写真提供=ナイキ

最後にホルツ氏はこんな話もしていた。「今回のプロダクトは半年前には完成しており、すでに2024年(のパリ五輪)を見越して開発を進めています」と。

本当は厚さ45ミリだったが、わずか6日間で39.5ミリに調整した?

ということは、世界陸連の新規則を想定しないままシューズを開発していたことになる。実は、今年1月の取材時にホルツ氏は靴底の厚さを「45mm」と口にしていたのだ。

写真提供=ナイキ

しかし、情報解禁日の当日、ナイキ側から急遽きゅうきょ「厚さは40mm以下になります」と連絡があった。単に、ホルツ氏が言い間違えた可能性もあるが、筆者は、1月末の世界陸連の新規則の発表を待って、情報解禁日の2月6日までの数日間に、ソール部分の厚さを“調整”したのではないかと予想している。

そして、他メーカーに先駆けて新モデルを発表。世間が厚底問題に興味を示した時期だけに、インパクトは十分にある。すでに多くのメディアが「新モデル=アルファフライが発表された」ことを記事にしている。その発表までには、上記のようなプロセスがあったわけだ。

単に素晴らしい商品を作るだけでなく、ナイキはさまざまな面で先陣を切っている。ビジネス面でもスポーツ界の巨人から見習うことは多い。

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