現在、中古マンションの価格はすでにピークを打ったと見られています。全体的に緩やかな下落傾向にあり、上昇しているのは一等地と都心駅近物件のみ。これは東京五輪後も変わらず、前述のとおり時計回りに郊外へ波及していくと思われます。

このことから、今後相場が急落しにくいのは、どの地域においても「駅近物件」と言えるでしょう。共働き世帯の増加や若年層の車保有率の低下に伴い、立地に利便性を求める人はますます増えています。駅から1分離れるごとに100万円ずつ下がると言われるほどで、今後の売買では「駅近」が大きな鍵になることは間違いありません。

もう1つ、今後の売買には「災害リスク」も大きな影響を与えそうです。19年の豪雨で浸水した地域の多くは、自治体が提供するハザードマップに合致していました。

今、住宅の売買・賃貸時にはこのマップに沿った説明は義務づけられていませんが、これが早ければ20年中に義務化される可能性が高いのです。そうなれば、湾岸地区だけでなく内陸部の低地、例えば渋谷周辺でも資産価値が下がる恐れがあります。

「国道16号線」郊外住宅問題

さらに、20年は「国道16号線問題」にも注目したいところ。東京郊外のこの地域には、団塊世代が一気に入居したベッドタウンが広がっています。20年以降はますます高齢化し、空き家が多くなることが予想されます。

しかし、駅から遠い一戸建ての価値はゼロに近づきつつあり、今後も上昇する気配は見えません。賃貸でも利益が出るとは考えにくいため、「相続したが住む予定はない」という人は、早めに売ったほうが得策です。

最後に、新築マンションは高止まりが続いているうえ、以前と同じ価格でもグレードが低下しつつあります。選手村跡地に建設予定のマンションは、資産価値は高くてもローン金利が決定するのは3~4年後の引き渡し時。先行きが不透明な現状では、購入はリスクが高いように思います。

このように、20年の住宅売買は「駅近中古マンション」が狙い目。若者の持ち家志向も低下しているため、将来賃貸に出すとしても、駅近マンションなら経営していける可能性が高いでしょう。

(構成=辻村洋子 写真=Getty Images)
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