それでも続く性生活、拒むと浮気を疑われる

こうした夫の借金問題以上に、玲美さんが一番気に病んでいるのは、同居している義父との関係だ。

義父はアルコール依存。定年退職の前から腰と足が悪くなり、仕事ができなくなったことをきっかけに酒に走った。医者嫌いで、病院には全く通っていない。

月に3~4回、義父の機嫌が悪くなる時がある。お酒に酔って、不平不満をダラダラと言う。玲美さんの子どもたちに当たったり、「うるさい」「あっち行け」と理不尽に怒ったりする。

玲美さんに対しては、「俺がお前たちの面倒を見てやっているんだから、金をよこせ」と生活費を渡すように迫る。渡さないと、キレて大変なことになる。

夫との関係が悪化する中でも、性生活は続いていた。玲美さん自身は、日々の育児や家庭内トラブルで身体的にも精神的に疲れており、夫とはセックスしたくないと思っているが、夫の要求を拒否すると「男がいるんじゃないか」と疑われる。夫は嫉妬深い性格で、玲美さんのスマホを勝手に見るなど、いつも束縛したがる癖がある。

「そうやって疑われるのも嫌だし、いくら『浮気なんてしていない』と主張しても、夫から執拗にあれこれ言われるので、仕方なく応じていました。

私は子どもができやすい体質で、すぐ妊娠しちゃうんです。真ん中の子も、下の子も。でも、おろすことは考えたくない。子どもが一番かわいそうなので、産む方向にしか考えられない。産んだら大変なことは分かっているけど、私1人が頑張ればいいか……と考えていました」

全てを我慢して1人で背負い込んでいる現状

「私1人が頑張ればいい」──これは、風俗で働くシングルマザーの女性が異口同音に発する台詞である。

自己責任論の内面化という視点からも理解できる台詞だが、現実的に見れば、パチンコ依存の夫やアルコール依存の義父の言動を変えることは、極めて難しい。

この家庭の中で離婚せずに子育てをしようとした場合、「玲美さんが全てを我慢して、とにかく1人で頑張る」以外に答えはない。

A町は育児支援が非常に充実しており、子どもはすぐに保育園に入ることができた。子どもが3歳以上になると、「ここの保育園に行ってくださいね」と役所から通知が来るという。保育料も全て無料だ。

「育児に関しては、A町に住んでいて非常に助かりました。そうした支援がなかったら、おそらくやっていけていないです」