ちょい飲み、チキンパックもお得に提供

もっとも、6月が大幅増となったのは、創業日を記念して割引販売した「創業記念1000円パック」(オリジナルチキン5ピース)と「同1500円パック」(オリジナルチキン5ピース+ポテトBOX)の影響も大きいだろう。6月12日~7月4日に前者は通常価格より230円割り引いて1000円、後者は380円割り引いて1500円で販売した。これが500円ランチとともに6月の既存店売上高を押し上げた。

写真=ケンタッキーフライドチキンプレスリリースより
オリジナルチキン5ピースとポテトBOX がセットになった「創業記念¥1500パック」

「ちょい飲み」でも、500円に割り引いたお得感のある商品を売り出している。4月19日から数量限定でオリジナルチキン1ピースとビールをセットで500円で販売した。販売店舗数が145店と、全体の1割強にしかならないので収益への影響は限定的だろうが、とはいえ500円という価格にこだわりを見せたという点で興味深い。

500円ランチでリピーターの獲得に成功

こうして販売月の既存店売上高を大きく伸ばしたわけだが、面白いことに500円ランチの販売が終わった後も既存店売上高が伸びた月が少なくない。これは極めて重要なことだ。

前記の通り、昨年7月23日~9月5日に500円ランチを販売したことで販売月の既存店売上高は大幅増となったわけだが、翌10月も4.1%増と好調が続いている。今年1~2月の500円ランチの販売後にあたる3月も、13.5%増と大幅増となった。同様に、販売終了後の7月も3.6%増と好調に推移している。続く8月も6.9%増、9月も4.8%増と大きく伸びた。

これは、500円ランチをきっかけに来店した客が「KFCは普段使いできる」と認識し、リピーター化となったことが大きいと考えられる。KFCの思惑通りにいったといえそうだ。