種類が多く説明もわからないので選べない

理由その5:好みの味がわからない、種類が多くて選べない

日本酒は飲んでみたい、けれど、種類が多くてよくわからない。大吟醸、純米酒、本醸造、生酒、原酒、無濾過……などの言葉もよくわからないという声もよく聞く。

日本酒のラベルに書かれているのはすべて日本語なのにもかかわらず、その意味は、一般消費者にはよくわからない専門用語ばかり。自分の好みの銘柄を選ぶのは至難の業だ。むしろフランス語やイタリア語で書かれているワインのほうが、ソムリエが説明してくれる分選びやすいという逆転現象も起こっている。

平成4年に廃止となった日本酒の級別制度。お酒に含まれる税金の違いで特級、一級、二級と分かれていたものを意味がないと廃止。

その後は、「特定名称酒」という呼び名で区別されているが、廃止後約30年たった今は、それさえも意味がないものとなってきている。米という農作物にかかわる法律ではなく、酒税によって区分される日本酒。一般消費者は戸惑うばかりだ。

理由その6:飲む必要がない、酔いたくない

この問題が実は一番難関ともいえる。特に若い世代から聞こえる声だ。日本酒を飲む必要性を感じない、と。これ、日本酒に限らずアルコールを飲む必要がないと思っている人が増えてきている。

とはいえ、度数の低いカクテルやサワー、梅酒などは飲みたい、飲んでみたいと言う声もあるから、そこは複雑。

さらに、酔っぱらいたくない、飲む暇があったら、酔う暇があったら別のことをしたいと考える人も増えている。飲む暇があったらゲームをしたい。

そのほうがうんとリラックスできる……という若い人の気持ちは、筆者にはわからないが、これからはそういう思いの若者たちがどんどん増えるのだろうと想像する。

「飲むことは悪いこと」という認識を変える

「季刊酒文化 特別号下2018 巻頭研究 酒の平成史 業界グローバル化と主体的な飲酒へ(酒文化研究所)」によると飲酒管理には以下の4パターンがあるとしている。

まずDは非ターゲット。Aは現在の消費メインターゲット。ある意味ほうっておいても伸びていく層。Bは飲み方の提案次第で飲む可能性が出てくる層。販売者、提供者の努力次第だ。

課題はCだろう。飲めるのに飲まない人たち。飲むことは悪いことのように言われている気さえする。ここをどのように変えていくかが、日本酒離れ、アルコール離れを食い止める要かもしれない。

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