「胸が大きく見える服装をしている」といちゃもんをつける

東須磨小学校の事件の原因には“神戸方式”という人事異動があるといわれる。

つまり、校長がお気に入りの教員を他校から招き寄せることができるのだ。これは、私立学校では、むしろ普通に行われていることである。これの問題点は、いつしかそれが負のエネルギーを持つ「お友だち」の集団に変化する可能性があるということであろう。この「お友だち」の関係が実に微妙なのだ。

ある中高一貫校ではこういうことが起きた。

やり手と評される女帝教員が系列校から、腹心の部下たちを連れて着任してきた。ところが、この中に女帝の虎の威を借りるだけの「勘違い女史」が含まれていたという。

この「勘違い女史」の標的になったのが若手教員たちだ。その中でも、特に女性には勘違い女史の当たりがきつく、「胸が大きく見える服装をしている」「男性教員と仲良くしている」などという“いちゃもん”を付けては、何人もの教員を退職に追い込む実績を作り上げていった。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/ferrantraite)

当然、問題になるが、勘違い女史はそのたびに女帝に泣きつき、自分が被害者のようにふるまう。女帝は「不始末」はすべて「部下のせい」で君臨してきた経歴を持つため、「すべて自分は関与せず」=「問題なし」として処理。中には労働裁判に発展した案件もあったが、結局、責任の所在がうやむやとなり、現在も女帝と勘違い女史は同じポジションを維持している。いい迷惑なのは、こういう内部闘争に巻き込まれる生徒である。

生え抜き教員vs新参者教員の権力闘争

また、こんな話もある。

業界関係者からは「お飾り」と揶揄やゆされる校長がヘッドハンティングと称してある教員を連れてきた。ところが程なく仕事ができないことが露呈。あまりのひどさに生え抜きたちが校長にご注進しても、校長は“お友だち”をかばっているという。

こうなると、当然「真面目にやるほうが損」という空気が生まれ、生え抜きたちは“お友だち人事”を無視すべくより結束を固めているそうだ。

このように職員室での“先住民”教員と新参者教員の権力闘争は、傍観者をも巻き込む形で頻発しているのが実情だろう。

ある中学に新参者という立場で異動したベテラン教員はこう証言する。

「自分はある学校の“帝王”的な存在の人物から『改革をしてくれ!』と請われて行ったのですが、“先住民”からの嫌がらせは当たり前のようにありました。作成したデータや文書をPCのゴミ箱に放り込まれるなど序の口。書類を隠す、電話を取り次がない、挨拶あいさつをしても集団で無視、生徒の前で『使えない』呼ばわりなどの“歓迎行事”が続きましたね。あまりに幼稚なので、他の学校に移りましたが、そこでもいろいろありますよ……。結論としては、職員室内の“いじめ”はありますし、その対処法はないです」