一方で最近は「離婚」「交通事故」などの検索キーワードで弁護士を探す人が多いことから、サイトを複数立ち上げ、実際にはそれほどの実績がないのに、サイトだけ充実させて仕事をとろうとする事務所もあり、ネットの情報を鵜呑みにするのも危険です。

「弁護士保険」に加入するのも有効な手

弁護士に頼むべきか否か、その判断に迷うことも多いと思いますが、私は法的なトラブルなどに関することはなんでも、できるだけ早く相談することをお勧めします。

例えば対人の自動車事故(保険会社が相手のケース)ならば、弁護士が間に入るだけで、賠償金や慰謝料の金額がほぼ確実に上がります。それは保険会社が定めている支払額の基準と、判例などに基づく弁護士基準が大きく違うからです。「むちうち」「頚椎捻挫」といった後遺障害の慰謝料も、保険会社基準と弁護士基準では2~3倍は違いますので、弁護士を入れるメリットは大いにあります。

また会社との未払い賃金を巡る交渉なども、確実に弁護士を入れるべきケースと言えます。これは最近増えている医療過誤の事件や、介護現場でのトラブルなども同じです。相手が組織ぐるみで不正を隠蔽しようとしても、弁護士であれば証拠保全の申し立てや情報開示請求を行うことができます。離婚問題や遺産分割に関しても、揉めそうな場合は、早い段階で弁護士に相談しておくことで、有利な証拠を集められるでしょう。

最後に「よい弁護士を安く使う」方法として、近年日本でも広がりを見せている「弁護士保険」に加入するのも有効です。たとえば弁護士保険「Mikata」は、月々2980円の保険料で、着手金や報酬金などの弁護士費用が1事案最高300万円まで補償されます。また無料で弁護士に電話相談できる付帯サービスもあるので、何かがあったときに心強いサポートが得られます。

○:複数の事務所に無料相談をして、見積もりを比較
×:ネットの情報を鵜呑みにし面談なしで事務所を決定

福谷陽子
ライター
元弁護士。京都大学在学中に司法試験に合格後、借金・債務整理・離婚・交通事故・遺産相続など様々な案件を経験。現在は弁護士の経験を活かしライターとして活躍。
(構成=大越 裕 撮影=熊谷武二)
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