「誰の影響も受けていない」作品
続いてやってきたのは、NYで有名なアート雑誌の編集長だ。彼はくっきーさんの作品の指文字が気になるらしく「指にこだわるわけ」を聞いてきた。
【くっきー】「人間の中で1番働いているのが指。何をするのも指。でも指はあまり“頑張ってるね”と褒められないから。きれいに飾ってあげたかった」
深くうなずく編集長は、作品をこう評価した。
【雑誌編集長】「(くっきーさん以外の作品は)アンディ・ウォーホルやバスキア、ピカソなどから影響を受けていると感じますが、くっきーは自分の顔を使って作品が作られているのでとてもユニークです」
<誰の影響も受けていない>
これこそが、くっきーさんが、かたくなにこだわり、最も評価してほしいと思っていた部分だった。1000組以上が参加したこのイベントでくっきーさんは、”最も注目する5人”に選ばれた。作品も6点、売れた。現代アートの本場がくっきーさんを受け入れた証しだった。
タイムズスクエアで異色コラボを実現
4月6日、独創的なメイクと衣装のくっきーさんが、マンハッタンのど真ん中、タイムズスクエアにやってきた。演出したのは、レディー・ガガさんのクリエイティブ・ディレクターを務める、ニコラ・フォルミケッティさん。
【くっきー】「うわ、俺じゃないみたい。ふふふ」
2人の異色コラボで、道行く人たちの視線をくぎ付けにしていた。どんなはやりにも合わせてこなかった男に、ようやく時代が追い付いてきた。
お笑い芸人
1976年滋賀県生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人でコンビ「野性爆弾」のボケ・ネタ作り担当。独特な芸風でバラエティを中心にドラマ、映画、CMなど幅広く活躍し2018年度の出演番組本数は300本を超える。ネタ作りから派生した絵画制作が評判を呼び2018年10月には東京渋谷ファッションウイークのメインキャラクターに就任。11月には国際公募展「ART OLIMPIA2019」アンバサダー就任。「世界一面白い最狂の展示会」をコンセプトに、中国・台湾でも作品展示会「くっきーランド」を開催。今回自身初のNY滞在だったが、取材ディレクター曰く「初日から『ラーメン食べたい』と連呼していた」という43歳。