あなたのアイデアは、すばらしい

ですから、ここでぜひ2つの約束をしてください。

まず、自分は創造的ではないとか、自分のアイデアなんて高が知れているという考えが頭の片隅にでもあるとしたら、その思い込みを捨てること。いきなり自信を持つことはむずかしいかもしれません。でも、まずは両手に抱えた「不信」を手放してみましょう。

そしてもうひとつが、自信を持つ前であっても、むりやり「クリエイティブな行動」を取ってしまうこと。

具体的にはどうすればいいか? ぼくは、はじめのアクションとして「場づくり」をおすすめしています。自分が思いついたアイデアを「客観的」に選別せずに発することができ、

石川 俊祐『HELLO,DESIGN 日本人とデザイン』 (NewsPicks Book/幻冬舎)

決して評価も否定もされない「場」。

信頼できる仲間と自分が抱えている課題に対するアイデアを出し合う時間を設けるもよし。SNSグループをつくるもよし。部署で「水曜日のランチタイムは新規事業のプランを出し合う会」とルール化するもよし……。

はじめは、自分のアイデアを口に出すのを気恥ずかしく思うかもしれません。「賢く見えるアイデアを言わなきゃ」と背伸びしたくなるかもしれません。でも、続けるうちに少しずつ「これ、おもしろくない?」と臆さず素直に言えるようになるはず。それに比例して、浮かぶアイデアの質と量が変わってくるのを感じられるはずです。

クリエイティブな人とは、ただ発想力に優れている人ではありません。自分の主観を信じる力が強い人が、結果としてクリエイティブになっていくのです。自信と創造性は、ニワトリと卵のようなところがあるんですね。

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