表現力については、ちょっとした工夫が必要かもしれない。

「親子で会話をする際、意識的に子どもにしゃべらせるようにすることです。ただ、小学生までならさほど苦労せずとも仕向けることができますが、中高生の多くは親との会話をいといます。そこで、子どもが興味を持っていて話したくなるような領域や得意分野について、『なぜ?』というキーワードを使いながら子どもに聞いてみるといいでしょう。間違っても、勉強や学校の成績を話題にしてはいけません」

前述のフィールドワークも併せて行うことでOSを磨けば、低偏差値でも“逆転”が可能なAO・推薦入試。が、成績が悪い生徒の多くは、その可能性にチャレンジする意欲すら失っている。

「成績ゆえに自己肯定感が落ちている子どもがあまりにも多い。でも希望を持たせてあげると変わります」

その特効薬となるのが、「すごいね」「さすがだね」といった10種類の“魔法の言葉”だ。これを家庭で何気なく使うことで、子どもが劇的に変わった実例は、石田氏が知っているだけでもたくさんあるという。

「『人とすぐに仲良くなれる』『調べるのが好き』『物作りが好き』『勝負事が好き』といったことも立派な長所の1つであることを子どもに気付かせてほしいのです。それこそが、まさにその子の才能です。その才能が大学でやりたいことと繋がれば、その子にとって幸せなはず。当然、それは志望理由書に書くビジョンにも繋がります。長所を認識していれば、面接でも魂のこもった言葉で答えられます」

ご子女によきアドバイスを!

川原洋孝
城南AO推薦塾塾長
1966年生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。2015年より現職。著書に『1回勝負! AO・推薦入試は「面接」「小論文」でキメる』ほか。
 

荒木シゲル
身体表現コンサルタント
英国でパントマイムアーティストとして活動。コミュニケーション研修、舞台演出、ゲーム・映像制作。著書に『しぐさの技術』。
 

石田勝紀
教育デザインラボ代表理事
1968年生まれ。20歳で学習塾を起業。「勉強嫌いの子をなくす」ための母親対象の勉強会「Mama Cafe」を主催。著書多数。