次に、現在使用中の携帯会社について指定がないこと。言うまでもなく、3キャリアは別の会社ですから、同一条件のキャンペーンや施策を行っている可能性は低いです。「とりあえず来店させてしまおう」という意図を持って作られた広告の可能性があります。
また、“現在利用中の機種を下取りする場合がある”という点もチェックすべきポイントです。下取り価格はその端末価値に左右されるため「無料になるのは下取り価格が高額に設定された最新端末を下取りした場合のみです」と案内されるかもしれません。
そして最後に、「キャリア変更及びインターネット回線の変更が条件となる場合があります」との記述。キャリア間の変更とは、番号をそのまま他社へ乗り換えるMNP契約のこと。MNP契約やインターネット回線を乗り換える際は適用できる施策や補助金も多く、これを端末代に充当している可能性が高いです。
ですがMNP契約は現在の会社を解約して新規にキャリアと契約するものであり、メールアドレスや端末データの移行が必要になる、ハードルの高い購入方法です。MNP契約が条件になるのであれば、ハガキに明記したほうが誠実だといえるでしょう。
最強の“情弱”が、店舗へ潜入取材!
では、このハガキを持って店舗へ行くとどうなるのでしょうか? 今回はITジャーナリストとしての素性を隠し、“何も知らないソフトバンクユーザーのおじさん”を装って実際に店舗へ行き検証してみることにしました。
店員さんに促されテーブルへ座ると、やはり勧められたのはMNP契約。auへののりかえでiPhone8を買うことを勧められました。果たして、本当に無料になるのでしょうか?
詳細を店員さんに尋ねると、「端末購入オプションである“アップグレードプログラムEX”に加入したうえで、iPhone8を48回分割で購入し、24カ月目で機種変更をすれば無料」という回答でした。
アップグレードプログラムEXとは、48回分割で機種を購入した際、24カ月で機種変更を行うと残りの分割支払いが免除になる施策です。これによって、端末代金の半分が免除になる、という説明でした。