チャンスをつかむための仮説の立て方とは

そのアイデアとは、「円安になれば輸出産業が儲かって株価も上がるはず」とか、すでに常識になっているものではありません。ほとんどの人が考えていないけれど、明確なロジックのあるもの。あるいは誰も指摘していないし、ロジックは不明だけれど、経験則として明確な関連が認められるものです。

cis『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)

その一つに日経平均株価の計算方法にまつわるものがあります。細かい説明は省きますが、株価が高い銘柄を日経平均株価に採用すると、一瞬で300円くらい動いてしまうことが起こり得るため、1株で1万円を大きく超える任天堂や村田製作所は日本を代表する上場企業で「採用されるのではないか」と言われながら、いまだに採用されていません。

しかし、1万円超えの会社が1社でも採用されたら、その他の会社も順次組み入れられることになるでしょう。あるいは、日経平均株価の計算方法が変わって、株価が高い銘柄でも組み入れられるようになるかもしれません。

どちらかが実現したら、僕は発表された瞬間に株価が1万円超えで日経平均に採用されてない銘柄を買うでしょうね。おそらく組み入れの1カ月前になると、アナリストが話題にするでしょうから、株価は上がるはずです。ニュースが報じられた瞬間、10億円ずつ5~10銘柄買って、全体で10~20%のアップを目指しますね。マーケットのこと学んで株価が上がる仮説をふだんから考えるようにするとチャンスをつかみやすくなるはずです。

cis(しす)
個人投資家
1973年3月生まれ。2018年11月現在、資産約230億円。大学4年生の2000年夏に口座を開き300万円で株式投資を始める。01年法政大学卒業後、親族が経営する企業に就職。02年デイトレを開始。一時期資産を104万円まで減らすもスタイルを変えてからは勝ち続け、資産6000万円で04年6月に退職。以後専業トレーダーとして04年内に2億円、05年内に30億円弱の資産を築き、トッププレイヤーの仲間入りを果たす。その取引の影響力の大きさから「一人の力で日経平均を動かせる男」とも言われる。
(聞き手・構成=向山 勇 写真=時事通信フォト)
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