強い製品のシステム化で“家まるごと”

三洋は、世界最高レベルの太陽電池システムを持つが、この商品の販売の中心となるのが電工である。全国に張り巡らされた販売ネットワークは、住宅設備建材、電気工事を合わせると13万店に及ぶ。このネットワークを最大限活用し、三洋の太陽電池を販売していくストーリーを描く。

大沢充男●パナソニック電工エナジーソリューション 営業推進本部本部長

「太陽電池の市場は、国内では住宅用が約90%と圧倒的に高い。しかし、ただ屋根の上に載せればいいというものではありません。太陽電池をパワーコンディショナー、モニター、電力系統と連係させてシステムとして販売する。三洋さんの太陽電池という非常に強力な基幹商材が加わったことで、より強いシステムが組めます」(パナソニック電工エナジーソリューション営業推進本部本部長・大沢充男氏)

パナソニックは、12年度に太陽電池の分野で国内シェアトップ、15年度には、世界シェア3位以内という目標を掲げている。現状ベースで、三洋の国内シェアは3位、世界では10位前後なので、厳しい目標にも思える。

「単品の製品に強さがなければ、いくらつなぎあわせても最適なシステムにはなりません。強い商品と強い商品をうまくシステム化することで、お客様に支持される“ソリューション”となる。それが本当の意味での“家まるごと”だと思います。これを追求していきたい」(大沢氏)

海外展開では、電工のホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)が、特に欧州で評価が高い。これは太陽電池や家電などの発電・消費電力データを管理し、制御するシステムだが、国内では新築住宅2万5000軒への納入実績がある。国によって求められる機能は異なるが、強い商品をしっかりと磨き上げる作業を怠らなければ、海外でのシステム販売に弾みがつくだろう。

(的野弘路、永野一晃=撮影)