阪神タイガースも弱く、18年は"試練の年"の大阪
広田本部長を悩ますのは今回の事件だけではない。18年に入り、大阪府警では現職警察官が12人、交番相談員が1人、あわせて13人も逮捕される異常事態が起きている。人数だけでも記録が残る02年以降過去最多だが、捜査情報を漏らす見返りにキャバクラ接待を受けていた収賄事件や、落とし物として届けられた現金を詐取する事件など、いずれも組織への信頼の根幹に関わるものばかりだ。
「今回の事件でも、樋田の実家があり、逃走後に立ち寄っていた松原市の所轄幹部が、逃走3日後に大阪・梅田周辺の飲み会に参加していたようです。おとがめはないようですが、全体として緊張感がないとも批判されています」(地元記者)
「18年は検挙件数が下がるだろう」。諦め顔で話すのは別の捜査関係者。大阪では粘り強い職務質問から薬物犯罪などの検挙につながることも多いが、「(18年)9月中は怪しいやつに声をかけても『こんな暇あるなら樋田追っかけんかい』と一蹴された」(同前)という。
地震に台風と自然災害が相次いだほか、阪神タイガースも弱く、18年は試練の年となっている大阪。府民がこの体たらくな警察に怒りをぶちまけたくなるのは無理もないだろう。