エステー・鈴木 喬 会長の答え
おめでとう! 同じ毎日から脱出。張り切って困難に立ち向かおう

アメリカ人100人に日本人1人で奮闘

財務担当役員をしていた頃、買収したアメリカの子会社の粉飾を決算書から見破ったことがありました。周囲の反対を押し切って現地調査に飛んで聞き取り調査をした結果、「順調」と書かれていた業務報告書の嘘が次々と発覚した。経営状況は最悪で、私は激怒して子会社の社長と会長を即刻クビにしました。

そうなったら誰かが会社を立て直さなければならない。仕方がないから自分が社長をやることにしました。自分で自分を左遷したようなものですよ。アメリカ人の従業員約100人に日本人は私1人。日本語はまるで通じない。それでも半分はリストラしないと立ち行かないから、怖じ気づいている暇はない。

まず一番強いヤツを叩き伏せる。私のケンカ必勝法です。ターゲットは管理部門のトップにいた2メートルぐらいの大男。そいつを「レシート見せてみい。数字が合わへんやないか」とインチキ英語と関西弁で2日も締め上げたら従順になって、ほかの社員も大人しくついてくるようになりましたね。リストラしても立ち直る見込みがないと判断して、最後は子会社を売却。売却交渉まで含めて、心身ともに本当に大変な経験でした。

私は不遇なんですよ。行く先々でホラばかり吹いてるから左遷の連続。でも同じことをやっているのが耐えられない性格だからしょうがない。ピンチのほうが血が騒ぐんですよ。


鈴木 喬
エステー会長
一橋大学卒業後、日本生命入社。エステーに出向し、1998年社長。「消臭力」などヒットを連発。
 


大野直竹
大和ハウス工業社長
慶應義塾大学卒業。入社以来、一貫して営業畑。副社長、営業本部長などを経て現職。
 


七五三木敏幸
ポルシェジャパン社長
一橋大学卒業。群馬銀行、メルセデス・ベンツ日本、クライスラー日本などを経て現職。
 
(写真=iStock.com)
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