ママ友とはメアド、電話番号を交換しないこと

入会される方には、「わからないことがあれば、聞いてください」と伝える一方、親同士では聞き合わないようにしてもらっています。はっきりと、「つるまないでちょうだい」とも言っています。

教室に来る人たちは、同志であっても友だちではない、むしろライバルなのですから、メールアドレスや電話番号の交換も、しないようにお願いしています。

保護者は、保護者同士で情報交換したくなるのかもしれません。しかし、100人いたら100とおりの受験スタイルがあります。人それぞれであり、人と比べて余計なことにわずらわされるより、とりあえず自分の子を良くしていこう、という気持ちが大事。そして、みんなそれぞれに自分の子が良くなれば、当然いい影響を与え合い、全体のレベルがアップします。

いまは学校説明会、学校公開、それから学校のホームページでも正しい情報がたくさん発信されていますから、それで十分ではないかと思います。他人の様子をうかがったり、ライバルから情報を得ようとしたりする時間があったら、わが子に一つでも多くのことを教えてあげたほうが有意義に違いありません。

志望校のこと、教育費のことは夫婦でよく話し合って共有する

どこを志望校にするかというのは、ママ友同士の大きな関心事でしょうが、どのくらいの費用の捻出ができるかを含め、わが子に合う校風かどうかなど、夫婦でよく話し合うことが大事です。

16年間あるいは18年間、大学院までだとしたら20年間分の教育費をどうするかということは、夫婦間でしっかり共有すべきことです。

学校公開や説明会も、ライバルであるママ友と行くのではなく、行くならぜひご主人と行ってください。そしてぜひ、「空気をかいで」雰囲気を味わってきてください。評判がいくら良くても、「あ、ここはいいな」とか「ここはなんか違う」と感じるはずです。

ママ友とつるむのではなく、自分のアタマで考えて、自分の感覚を信じて動くことが一番です。

とはいえ、入試が終われば、同じ時期に同じように目標に向かって進んだ同志として、良き友人になるのは言うまでもありません。

石井美恵子(いしい・みえこ)
つくし会幼児進学教室 代表
息子二人を慶應義塾幼稚舎に入学させた経験をもとに、1992年、小学校お受験を専門にする幼児塾「つくし会」を設立。以来四半世紀以上にわたり、独自の指導法で最難関といわれる慶應義塾幼稚舎をはじめ、早稲田実業、青山学院、学習院、聖心などの初等科に毎年多くの合格者を輩出している。
(写真=iStock.com)
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